てんから　ふんどし

大阪ことば　あいうえお

て

てんからふんどし

こちら道修町研究所

訪日観光客が
年中あふれてる首都圏。
　
うちの宿泊費内で…

『ホテル探すのたいへん…』

隼太主任が　
出張からもどってきて
経理女子に　文句言うてる…

『贅沢言うたらアカン』と　赤星副部長。

贅沢の問題ではのうて…

神宮の得意先との会合やのに
新宿　渋谷ではのうて
『とれたホテル　埼玉のはずれ…』

『寝られたら…えぇやん　』と　庶務のドンふら子。

出張したことがない人は　かなん。

神宮の宴席後　
ホテルまで帰るのん　大変…。

東京では通勤圏内…
文句たれるな…

『宿泊費は　横綱でも　8000円』と　副部長。

『…何です？』

大阪・名古屋・福岡場所は
出張地やから
　
大相撲力士にも手当が出る。

ビジネスパーソンの出張は
時間計算して　日帰りが出来る場合
無理をしてでも　帰る段取りで出て行くが…

お相撲さんは　
そういうわけにいかない。

荷物の準備　その地での稽古　
挨拶事も多いから　各場所ごとに
35日分支給されるらしい。

出張やから　日当も出ていて
横綱の日当3000円

平幕力士は1400円
十両力士は1200円
事細かに出金規定が設定されている。

名古屋場所9日目　
宇良が
横綱日馬富士から　金星をかちとったんやけど…

その
金星の報奨金は　10円也。

『何？たったの10円？』と　経理女子。

十両より上の力士の給金は
月給制になっているのやが…

ほな　
『横綱を倒して１０円アップ…？』

実際の支給額は
金星の報奨金10円を
4000倍した金額　4万円。

横綱倒した金星が　
つまり　4万円？

安いのとちゃう？

ちゃうちゃう

名古屋場所で　宇良は
はじめて　金星ひとつ
勝ち取っただけやけど…

なんと　これが　
次の場所にも　次に場所にも支払われる。

金星ひとつで
年６場所（4×６）　
『２４万円　年収がUPすることになるのや…』

『有効期限は　1年？』

ちゃうちゃう　
引退するまで　続いて

『給金にプラスして支払われる…』

たしか　
安美錦　嘉風が　８ヶ
金星獲得してるから…

24万×８で　192万円　毎年加給されてる。

『金星は　えぇなぁ…』と　経理女子。

十両に落ちてる安美錦も　
金星８ヶ獲得してるから　
同額支給され続けられてるのや。

幕下に落ちてしまうと
加給報奨金が　リセットされてしまうから
もらわれへん。

十両に上がれば　
100万円以上の月給が出る。

今場所　新十両の翔猿（とびざる）
十両幕尻で負け越してしもたから
幕下へ陥落…か？

幕下以下は　給料も出ない。
手当だけ…

十両幕尻から　
ひとつ落ちただけの幕下筆頭…
けど…無給。

これが　
プロの厳しさちゅうことなんや。

（蛇足）

ところで　
てんからふんどし…の
タイトル　何？

平幕力士が　若い時期に金星を
ひとつ獲得すると　引退するまで
ながぁい　ながぁい　ほんま
長い間　報奨金が支給される。
　
金星は　有りがたい。

『天から　褌（ふんどし）ぴったりの
話題やろ…』と　横町の大旦那。

てんからふんどし≒ながぁいもののたとえ

ながぁいながぁいおつきあいは
京都銀行のTV　CMや。