おぉさかのくいだおれ

大阪ことばあいうえお　お

おぉさかのくいだおれ

オオサカの食い倒れは
美味いもんが　
上方（かみがた）には　
よぉさんあるさかいに　
つい　食べてしまう。

食べ過ぎて　食費が
かかりすぎるため　
食いだおれになってしもた。

昔から　エンゲル係数が
ものすごく高かったのやろ…

いつものモーニング

あまから手帳（奈良特集）の
４月号
パラパラめくりながら…

ちょこちょこ
近鉄で奈良まで行くけど
『奈良は　店しまうの早い…な』と
喫茶店のおばちゃん。

店しまう≒閉店時間

『はよ　寝るからやろ…』と　マスター。

ほんまかいな？

昔から　奈良のひとは
はよ寝て　はよ起きることに
なってる。

そらまたなんで？

『鹿やがな…』と　鍋津根長老。

江戸時代　今より　
神聖視されていた鹿

『春日大社のしんしや…デ』と　長老。

『…紳士？ジェントルマン？』

ちゃう　
神の使い　神使（しんし）

そやから
鹿の死骸をみつけても　
住民が　勝手に処分したらアカンねん…

例えば　
家の前でみつけたとしょぉか…

えらいこっちゃ…
興福寺に届けにいかなアカン
　
興福寺から寺男がやってきて
鹿の屍を　運びさってくれる。

それで　おしまいやったら　
えぇのやが…

その経費　手間賃は　
その家のもんが
負担せなアカンのや。

そやから　
自分の家の前で
朝　鹿の死骸をみつけたら　
隣の家の前に移動させよった…

隣の家のおっさんが　起きて　
この屍をみつけ　びっくりこいて
まだ　起きてない隣の家の前に…

つまり　
一番　寝坊してる家の前に　
おかれてしまう…

割をくうたのは　
ねぼすけの家なんや。

処理費用出さなアカンから…。

奈良の場合は　
寝とったら　鹿のしかばね処理賃　
損することから　
『奈良の寝だおれ…と　言うたんやデ』

ほんまかいな？

ほんまや。

ところで…興福寺に支払う　
『鹿処理費用なんぼ…やったん？』と　マスター。

えぇ質問するがな…

寺社町死鹿清料控　
てな　文献には　
『その金額が　三文と書かれてる』

ほんまかいな？

早起きは　三文の徳
　
『奈良の鹿に関連する諺やな』と　長老。

寝とったら　三文損するから…

鹿の死骸が　家の前に
ないかどうか　
早起きしてチェックせな
あかんかった　奈良のひと。

ほんまかいな？

ほんまや。
　
（蛇足）

観にきたいもんが　
来たらえぇのやという
商いの姿勢のことを
奈良の大仏商法と言うてきたけど…

ほなら　のんびり　
マイペースかというと

周りの目ェが　
『気になってしゃぁない性格らしい…』と
横町の大旦那。

落ち着いて
寝てる場合や…ないところから
寝だおれ…て　よぉわかるやろ
どない？

どない言われても…なぁ…