けったいな顔すな

大阪ことば　あいうえお　け

けったいなかおすな

こちら道修町研究所

頬の肉がそげおちてる
晩年の秀吉の顔の肖像画は
『動物園におる　きつね猿の顔や…』と
今成主任。

そういう主任は
『ブタオザル…みたい』と　庶務のドンふら子。

『なんやて…』と　気分わるしよった。

けったいな顔すな
『そういう顔するから　
似てる言われるのや…』と　赤星副部長。

けったいな顔すな
≒その不満な様子　なんやねん

インドネシア　マレーシア地域の
ココナッツ農園で　
高い樹の上に実った
ココナッツを収穫するため　
調教されたブタオザルは　大活躍してる。

『その猿と　オレ関係あれへん』と　主任。

どっちも
『役にたってるがな…』と　ふら子。

この猿　豚の尾っぽみたいに
クルっと　尾がまいているところから
豚尾猿…なんや。

顔は今成主任の顔みたい…と　いうたら
また　けったいな顔しよった。

虎の今成
今年は全然目立たなかった…な。

ところで　さっきのはなし
秀吉の肖像画を描いた絵師は
『もっと猿に似てるスケッチを
したはずやが…』

そのまま描いてしもたら　
首が　飛ぶかもしれん…おそらく　
『手加減して描いたのやろ…な』と　副部長。

つまり
『権力者に　よいしょ…や』と　ふら子。

教養も作法しきたりも　なぁんも知らん
秀吉が　天下びとになるやなんて…
主人の信長も　おもてなかったやろな。

あごの先端が細長い神経質な
顔に描かれている信長。

彼の顔も　実際は　もっと　
こめかみの青筋が見えるような
神経質な顔相やった…

人の心を射るような　目つき　
見るからに　人間の悪そうな顔を
した信長
『絵師は　柔らかく表現するのに
苦労したことやろ…』

それに比べて
古刹に残る歴史的高僧の姿は
『その人となりのまま　描かれたもんやろ…な』

けったいな顔は　けったいなままに
高貴な顔は　高貴なままに。

『歴史的に　間違われてる顔も多い…な』

上野の西郷隆盛も　実は　別人。

坂本竜馬の妻　お龍
知られている顔は
ぜんぜんちがう人物の顔という説…。

竜馬の妻といわれる写真の人物は　
新橋のトップ芸者の顔…。

竜馬の嫁さんは
『人気芸者のプロマイド…？』と　
主任　けったいな顔しよった。

（蛇足番）

刷り込まれたもんが　間違いでも　
『真実と　うけとってしまう情報操作　
ほんまに　恐ろしい…』と　横町の大旦那。