いらちはかなん

大阪ことば　あいうえお　い
いらちはかなん

こちら道修町研究所

なんもりで　地下鉄降りてコーヨーで　熱いお茶
こうて行こ…と　赤星副部長が言うので…
今成主任が店内に…

温かいおーいお茶　買うてきたのは
えぇのやけど…
袋にもいれんと出てきよった。

『万引きみたいやがな…』と　副部長。

入れよおもたけど　ビニール袋の口が
密着してて袋にならん…と。

『いらちはかなん…な』

いらち　≒　せかせかする人

『ついでに…中村のコロッケ…』

行儀悪いけど　１ケ　紙袋に
入れてもらい　食らいついた主任
『アッ…うまっ…あっつう…あついがな』
『コロッケにぼやいて…どうする』

いらちはかなん。

繁盛亭横の天満宮の門から境内に…
左におれて…スタスタと副部長。

『正殿向こうです』
『分かってる…本日のお詣りは…』

天満宮の境内にある白米稲荷社
『白米大神（しらよねさん）』

『なんでまた…？』
『商売繁盛のお願いやがな…』

屋内の後ろでなにやら…みつけた主任
『狐　天狗の爪砥ぎ石…』

奥行横幅共に約50㎝　高さ８０cmほどの砥石や。

お稲荷さんやから　夜な夜な　白狐が
『爪砥ぎにきてるのや…な』
『どこに…』

『ほら…石が　磨り減ってますがな』

ネイリスト達が　秘かにお参りしてる
『パワースポットなんやデ』と　副部長。
『ほんまですか？』

『そやないかと…』

（蛇足番）

パワースポット話は　アッというまに
伝播するもんやが…
『ここもその候補スポットや…な』と　横町の大旦那。

ネイル業界の
いらちがお参りしよるやろ…