ろくもんせん

大阪ことば　あいうえお
ろ
ろくもんせん

六文銭
＝死人を葬る時棺の中にいれる
銭六文。

こちら道修町研究所

いつもの喫茶店で

どない　今も
「六文銭　入れるのやろか‥」と
OOB(オオバァ）さん。

藪から棒に　何？何？と
取材してる今成主任。

耳ダンボにしている。

「なんせ　小さなお葬式
家族葬の時代やから‥」と
マスター。

大きい小さい
「関係ないやろ‥」と
OOBさん。

六文銭は　
冥土の
三途の川を渡る時
必要な船賃。

「これが　無いと
彼岸に　行けん‥のやから」

「なんで　船賃が　六文？」

「えぇ質問や‥」と
ナベツネ長老が　言うた時

今成主任の携帯に
着信音　おっ　会議の時間や
遅れる旨　メールして帰社。

オォーン岡田所長に
六文銭の話しをすると‥

正直言うて
「真田幸村の紋所‥や」

それはそうですけど
地獄八景亡者の戯れ
に出てくる六文銭

オォーン
「渡船の船賃かいな‥」

正直言うて
邪魔くさいな‥と　いう顔した
オォーン岡田所長。　

六文銭は　六道銭とも言うて

「六道‥？　やくざ‥の？」と
庶務のドン・トラ子。

ちゃう
それ　極道（ごくどう）。

六道は
地獄道・餓鬼道・畜生道
修羅道・人間道・天上道へ
通うための
六つの道のこと。

前の三道は　三悪道
後の三道は　三善道。
オォ〜ン　どっちの道　行きたい？

「そら　エェ道行きたい」と　トラ子。
行く時は
「六文銭　忘れなや‥」と　
岡田所長。

「今時　ペイペイでも
えぇのとちゃいますか？」と
今成主任。

（蛇足）

地獄の沙汰も金次第
という　言葉があるくらいやから
支払いが　できたら
えぇのとちゃうか？　

「だいたい　六文銭
流通してないから‥な」と
横町の大旦那。