へつる
大阪言葉 あいうえお へ
へつる
早朝から開いてる散髪屋が
あるらしい…
モーニングにやってきた
向こうの町会の鍋津根長老の頭が
すっきりしてる。
『ハツハリッ…』と
喫茶店のおばちゃん。
散髪したての長老の後頭部を
パチッと たたくポーズをした。
昔の大阪の子は 散髪して
学校に来た友達を見つけたら
『
初張りッ』 というて
後頭部を狙って はたいたもんや。
はつはり≒散髪したての頭をたたく
『髪の数がもともと多いもんは
ちょっと へつっても
たいしてかわらんけど…』
へつる≒けずりとる
『数が少ないもんがへつられると…』
ほんまつらい。
散髪に行って
散髪屋のおっちゃんから
『暑いから 頭 すいときますか…?』と
昔は 言われたけど 今は そんな
こと言うてもらうような頭ちゃうしなぁ…
『長老 散髪に行けるほど
毛ぇあるからよろしいやん』と
喫茶店のマスター。
(蛇足番)
オオサカジンは はげ頭の人に
向かって
はげ頭と言うような
失礼な事は いわへん…
あの ほら 八百屋のおっさんなぁ…
『あぁ
ちゃびんの…』
はげちゃびんて言う言い方も
あるけど…
ちゃびんという言い方
おちゃめやんか…
『東京人は
やかんと言うてる』と
横町の大旦那。